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アマ高段者同士の実戦対局
どうも!あたごやま囲碁道場長、茶碗のかどです^^
早いもので6月!令和になって1ヶ月、今年になって半分が過ぎました!
そろそろお米が育つ時期(梅雨)に入りますので、気温差による体調不良など十分気をつけて過ごしましょうね!
さて今日の記事は、以前私が打った実戦を題材にしています。
お相手の方は確か六段か七段で、私の白番です。
積極的に戦いを仕掛けてこられる力戦家でしたが、運良く隙を突いて勝たせていただきました。
第1譜(1〜36)
注目の一手1.黒23ツケに対しての白24
なぜ白24と打ったのか。その理由をお伝えしますね。
26とハネると、黒24と切ってさばかれるのが嫌だったからです。今振り返ってみると、この判断が甘かったかも知れません。
上記画像の『A』にノビて、現時点での眼形の急所を奪っておくか、26とハネておいたほうが厳しい態度です。
注目の一手2.黒27ノゾキ
黒27ノゾキ、29ケイマはよくある分断の手筋です。
この局面では21に黒石があるため、白30と押されてから白36カカエまで、黒はうまくいきませんでした。21に黒石が無ければ、これは有力な手だったと思います。
注目の一手3.右下白6からのツケ引き
少し戻り、右下白6からのツケ引き。参考図1の白1と構えれば普通の定石ですが、次に白3とかかりにくい。白1と矛先が出ている下辺は価値が低いので、例えば黒4、白5と価値の低い方に追いやられてから黒8までとなると、黒が打ちやすくなっている気がします。
(参考図1)
第2譜(1〜42)
黒1とカカられ、シチョウアタリなので白2とボン抜きます。
黒3、5とつけ引いてから7とハサミましたが、黒9や10などと少し距離をとった方が良さそうでした。実戦は白10と切ってサバキ、黒19まで白は攻められずに済みました。
白24で参考図2の白1とヒラけば普通で無難ですが、黒2などと打たれると上辺に打ち込みにくくなり、ポン抜いた白の厚みも働きにくくなりそうに思い、黒の弱点への狙いも含めた24打ち込みを選びました。
白は手厚いけれど、右上で黒から2手連打されている時点で、地合いは遅れている。中央の厚みを何かで活かさなければ甘い。そう思ったので、左上は攻められても中央白に繋がるか、2目で生きれば良いと判断しました。
(参考図2)
実戦黒35切りに対して先に白40とアテておいた方が良さそうでしたが、42まででも白がうまくサバけた格好です。
第3譜(1〜28) 白中押し勝ち
黒は当然次の焦点、左上を攻めてきました。左辺の黒は生きており、生きている石の近くは価値が低いので、左上の白は最悪捨て石にする覚悟で4とこちらの急所に一撃しました。
白6〜12まで狙い通り。ここを分断したことで上辺黒は17と逃げなければならず、後から下辺黒7子とカラミ攻めされる可能性も出てきました。
白18とこのタイミングで動き出し、22のアテ返しから28切りまで仕留め、中押し勝ちとなりました。
重要点の検討
運良く勝たせていただけましたが、後から検討すると反省点がたくさんあります。
例えば第3譜の白18からの動き出し、実はこれ、正しく打たれたら不成立でした。続く19で、参考図3の黒1から9までだったら白アウトでした。
(参考図3)
動き出すとすれば、ちょっと打ちにくいかも知れませんが、参考図4の白1〜3とこちらを打ってから5のコスミが良さそうです。
何通りか検討しましたが、恐らくコスミが唯一の脱出手段でしょう。
例えば黒6のコスミツケには白7とアテ、13まで脱出です。
(参考図4)
そうは問屋が卸すかと、黒からの鋭い手筋が参考図5の黒6(白11)。シボリの常用手段です。
以下25までなったとして、白脱出成功です。
(参考図5) 黒6=白11
もう一つ別なパターンです、黒26と白のダメを詰めるのが最強の抵抗かも知れません。
しかし黒32まで打ってみると、黒はAに打てないため白勝ちです。
(参考図6) 黒6=白11、黒24=26
黒からの利き筋が多く、白は団子石になってしまいますが、中央に白の厚みがあるからこそ、成立するものと思います。
逆に中央付近に黒石が多ければ、このコスミは打てないと思います。
また、コスミではなく参考図7の白1と並べば戦い向きの形ですが、黒2(7)から以下12まで、取られてしまいます。
(参考図7)
形はもちろん大事ですが、このような接近戦になると、読みの正確さが何より重要なんですね!
このような局面になった時、正しい手を読めるように普段から詰碁や手筋を見慣れておく必要があるのです^^
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